SYP日記 夏

実家に行った。iPhoneを買った時に貰ったソフトバンクの犬ストラップを兄にあげた。犬ストラップは尻尾を触る度に何か喋るので昼寝をしていた猫が驚いて臨戦態勢に入った。犬ストラップはたぶん24時間以内にぼろきれになるだろう。父親・兄・兄嫁・姉・SYPというメンバーで外食に行こうということになりこのメンバーのヒエラルキーからして私が財布を取り出す可能性は限りなくゼロに近い数字なので高カロリー、かつ高単価である焼き肉を希望した。しかし焼肉屋に着いてみると30分待ちだったのですぐさましゃぶしゃぶ屋へ変更に全員一致で大決定した。この辺のコンセンサスの取り方が遺伝子レベルの近いグループの利点だと思った。たぶん母親がいたら「焼き肉が食べたいんでしょ?」「30分なんてすぐじゃない」とか言いながら順番待ちリストに名前を書くのを「その後件肯定による推論は誤謬ですお母さん!」と止めなければならないところだ。焼き肉でもしゃぶしゃぶでもお好み焼きでもピザでもハンバーガーでも流しそうめんでも断食でも何でもいい一行はしゃぶしゃぶ屋に着きしゃぶしゃぶを食べて父親と兄は凄まじいスピードでジョッキに入ったビールを次々に空にしていた。この2人を見ていると私のアルコール耐性の無さは母親譲りだなあと感慨深くまたあるいは実家を新築する際に家を追い出された経験からして橋の下から拾われた説も否定できないことから額に稲妻形の傷が無いかチェックをしたが魔法学校から入学案内が来るようなことは無かった。たこの唐揚げと肉とうどんをお腹いっぱいだと私に押しつけたくせにアイスが食べたいとか言い出した姉に「セットに入っている肉とうどんはともかく自分で追加注文したタコの唐揚げくらい自分で平らげろ!押しつけられたタコと肉とうどんのせいでごはんのお代わりができないじゃないか!私の米を返せ!米泥棒!」と注意すると後がおっかないので「メニュー写真を見るとデザートに力を入れてない店なのでハーゲンダッツ買って家で食べましょう」とアドバイスした。家に着くと猫が私のハーゲンダッツ(抹茶)を狙ってうろちょろするので「私のハーゲンダッツ(抹茶)は渡さん!チャリティーよりかはグリーンティーだ!ギャアアアアア!」と威嚇すると猫を溺愛している家族全員に袋叩きにされて麻袋に詰められて渡良瀬川に沈められるので泣く泣くハーゲンダッツ(抹茶)を猫に与えた。しかし猫がハーゲンダッツの味を覚えたなんてまったくなんてこった。あたしゃがっかりしたよ。