レトロフューチャー

私はまったく覚えていないけど、中学生の時に学校の課題か何かでPEPEと菊の苗を育てたらしい。まず生徒全員分用意された菊の苗から我々の育てる苗を選ぶ時に私が「元気そうな苗を選ぶのは素人が陥りやすい罠である。こういうものは一目見て弱っている苗のほうがかえって根をよく張り良い花を咲かせるだろう」みたいな根拠がない割に自信満々なことを言って弱っている苗を選んだとのこと。私はまったく覚えていないけど、いかにも私が言いそうなことなのでたぶんその通りだと思う。結果、弱った苗は花を咲かせることなくあっという間に散り去り、命の儚さを白紙の多い観察ノートという形で我々に教えてくれた。私はこのエピソードを聞いて中学生の頃から馬鹿だなあ「元気な苗にしか花は咲かない」という規制概念・通説に対して課題を犠牲にしてまで反抗精神を剥き出しにした震えるほどロックなティーンエイジャーだと我ながら感心した。あの頃の私が今の私を見たらきっといろいろ絶望するだろうなとは思うけど、こと絶望に関しては絶望エキスパート、絶望マエストロ、絶望ジーニアスの私にとってひねくれた中学生風情などひと睨みで泣いて元の時代へ逃げ帰ることだろう。しんきくさい日記を書いて絶望したのでアマゾンの欲しいものリストを片っ端から買い物かごに放り込んで寝る。