たまには長文

syjp2011-08-27

この間、富士登山にチャレンジしようということで、友人と2人足利から遠路はるばる静岡は富士宮市へ向かった。
山というのは天気が心配だが、事前の天気予報では曇りのち雨、降水確率は、一律で30%前後であった。良くもないが、悪くもない。いけるな。そう思った。


この富士宮市から登る富士宮口ルートというのは、幾つかある富士登山ルートの中でも、比較的簡単なものらしく、暫く運動もしていない自分たちには丁度良いと思った。共に行った自分の友人などは、頂上さえ行ければヘリでも良いという、山の醍醐味、素晴らしさを何も理解していない愚者だ。


山へ行くということは、散策をして、普段自然から離れ、社会の中で眠っていた、生命としての自然性を呼び覚ますことで初めてその素晴らしさを体感するものである。


自分たちは御来光を拝みたいということで、かなり早めに出発する。
足利から富士宮口まではおよそ4時間、そしてそこから登頂まではさらに4〜5時間かかるだろうと予測していた。
出発時の天気はやや曇りだったが、足利の天気などはクソほど関係ない。僕らは考えていた。今思うとこれが全ての不幸の始まりだった。


コンビニで食料を購入し、遠足でもいくかのように、音楽を聞き、下らない痴話にふけっていた。この後の結末をわかっている人間がもし僕らを見ていたら、人造人間20号に体を貫かれることも知らずに意気揚々と戦地に赴いたヤムチャを想像するだろう。


途中若干雨が降り始めた。首都高速にのりスカイツリーが目に入った頃だった。
雲行きが少し変わってきたようだぜ。まだ漫画の台詞を口に出す余裕がある。ハッキリ言ってこいつら馬鹿だ救いようがねー!!


そして東名に入って暫くしてからようやく異変に気付く!



嵐だ!


ジャニーズの嵐じゃない!!大野君乱○疑惑以来の大嵐だ!!




とりあえず富士宮口、つまり富士山5合目までは行ってみる。この辺になると会話の数も明らかに激減している。嵐の強さも半端ではない。良い景色や綺麗な星空どころか、目の前の視界すら限りなくZEROに等しい。


5合目に到着しせっかく来たのだし、天気も変わるやもと、少し車で仮眠をとる。だが、あまりの雨音と雷の光にろくすっぽ眠れない。




帰りたい。





そう思うまでに、100分を要しなかった。



帰りの車を走らせながら、情報の大切さと、自らの危機感の足りなさを反省し、今後に活かそうと考える自分を他所に助手席の愚者は深い眠りの床に着いていた。

このまま永遠に眠っていてほしい。そう考えずにはいられなかった。




こんな旅の中、唯一良かったのは、鹿を見かけたことだった。