壺

久々に家族で集まったが、相変わらず俺ん家の人間たちというのは周りの家庭環境と比べると何かが違う感じがする。
この何が違うかについてはハッキリ言えば変わってる人達が多いのだと思う。
父親は絵や盆栽、陶芸など、様々な芸術的な趣味を持ち、息子の俺から言ってもハッキリ言って凄く才能があると思う。
自分も絵は好きだったけど、父親が圧倒的すぎて子供心にやる気が失せた記憶がある。
母親はとても勉強熱心な人だ。最近火が付いてきたようで、ここ3年くらいで国家資格を2つもとってしまった。
弟はよくわからない本を沢山読んでいる。そして何故か俺と同じ音楽を始めた。
勉強熱心な男で何かと音楽の知識が豊富である。
どいつもこいつも能力を職業に活かさないところを観ると、酷く内向的な人達なんだと思う。
そんな連中だから、集まってもどこかぎこちなさがある。
俺が目を合わせると赤ちゃんにすら気まずさを覚えて目を逸らしてしまうのは、きゃつ等の影響が少なからずあると思う。
なんやかんやで俺は思った。
多分山奥で壺をバカみたいに作って生活できりゃそれで一生OKだと。